Noble Ame’sdiaryをご覧の皆様、こんばんは!
今日はもう直ぐ必要となる冬の必需日、ダウンについて書いていきたいと思います!
ダウン製品は、冬のファッションやアウトドア用品として欠かせないアイテムです。しかし、その制作工程や素材についてはあまり知られていません。この記事では、ダウンの品質を保つ「ダウンパック」や「ダウンの密閉室」の仕組み、ダウンとフェザーの違いについて詳しく解説します。
ダウンとフェザーの違い
ダウン製品の主な中材として使われるのが「ダウン」と「フェザー」です。両者は鳥の羽毛ですが、構造や機能に明確な違いがあります。
ダウン
ダウンは、鳥の胸元や腹部にある柔らかくふわふわした羽毛を指します。毛幹がなく、小さな羽枝が放射状に広がるため、優れた保温性を持っています。この放射状の構造が空気を閉じ込めて層を作るため、冷気を遮断し、熱を逃がしません。また、ダウンは軽く、柔軟性があるため、着心地も良く、軽量な保温材として評価されています。
フェザー
フェザーは、翼や背中部分の硬い羽毛で、芯がしっかりしているため、ダウンに比べると保温性が劣ります。ただし、適度な弾力があるため、クッション性や反発力が求められる部分に使用されることが多く、ダウンの形状を維持するためのサポート役としても活用されています。
一般的に、高品質のダウン製品ではダウンの割合が多く、フェザーの割合が少ない構造になっています。ダウンとフェザーは一見似ているようで、その保温性や柔軟性において役割が異なるのです。
ダウンパックの役割
ダウン製品の品質を高めるために欠かせないのが「ダウンパック」です。ダウンパックとは、ダウンを薄く密度の高い生地で包み込むことで、ダウンが外に出るのを防ぐと同時に、ダウンの偏りを防ぐ役割も果たしています。
ダウンパックの生地
ダウンパックには、通気性と防風性に優れた生地が使用されることが一般的です。薄くても密度が高く、ダウンが外に出てしまうのを防ぎます。また、ダウンパックがあることでダウンの吹き出しを防ぐだけでなく、摩擦などで中のダウンが損傷するのも防げるため、耐久性が向上します。
部分ごとの計量
ダウンパックの工程では、部分ごとにダウンの量がきちんと計量され、特定の量を配置していきます。例えば、肩部分には軽めのダウン、体幹部分には密度の高いダウンを配置するなど、部位ごとの保温効果や動きやすさを考慮し、最適なバランスでダウンが詰められるよう工夫されています。計量されることで、製品全体に均等な厚みと保温性が保たれるだけでなく、重さの偏りを防ぎ、着心地も向上します。
ダウンの密閉室
ダウン製品の制作において、特に重要な工程が「密閉室」によるダウンの充填です。ダウンの充填には静電気や風など、非常にデリケートな環境が必要であり、一般的にはダウン専用の密閉室で行われます。
密閉室の環境管理
密閉室では、湿度や温度が一定に保たれています。乾燥し過ぎているとダウンが静電気を帯びてしまい、均等に充填するのが難しくなります。一方、湿度が高すぎるとダウンが湿ってしまい、保温性が下がります。そのため、密閉室の環境はダウンの性能を最大限引き出すために重要な役割を果たしています。
充填の精度
密閉された室内では、ダウンが空気の流れによって吹き飛ぶことがないため、正確な計量のもと、部分ごとにダウンを均等に詰めることができます。この精度が、製品全体の保温性や着心地を左右します。たとえば、肩や首回りには軽めのダウンを配置し、胴体部分には保温効果の高いダウンを充填するなど、細かい部分調整が行われます。このように、密閉室によってダウンがムラなく、計画通りに充填されるため、保温性の高い製品が生まれます。
ダウン製品の品質を見極めるポイント
ダウン製品の品質は、主に「フィルパワー」「ダウンとフェザーの割合」「生地の質」の3点から見極めることができます。
フィルパワー
フィルパワーとは、ダウンのふんわり感や保温性を表す数値で、一般的に600以上が高品質とされています。フィルパワーが高いほど、少ないダウン量で優れた保温性を発揮します。
ダウンとフェザーの割合
ダウン製品には、ダウンとフェザーの配合割合が明記されています。一般的に、80%以上がダウンであると高品質とされ、保温性に優れます。
生地の質
ダウンパックに使用される生地の密度や質も重要です。高密度な生地を使っている製品は、ダウンが吹き出しにくく耐久性が高いです。また、防風性や通気性が適切な生地は、快適な着心地もサポートします。
ダウン製品のメンテナンス
ダウン製品は、適切なケアによってその品質が長持ちします。
日常のお手入れ
湿気に弱いため、着用後は風通しの良い場所で陰干しすることが基本です。雨や雪で濡れた際も、直射日光ではなく自然乾燥を心がけます。
洗濯方法
洗濯の際は専門のクリーニングを推奨しますが、自宅で洗う場合は洗濯ネットに入れ、弱水流で洗いましょう。乾燥機を使用する際には低温で乾燥し、テニスボールを一緒に入れるとふんわりと仕上がります。
まとめ
ダウン製品は、保温性や軽量性、快適な着心地から冬の必須アイテムとされていますが、その製造には高度な技術と環境が必要です。ダウンのふんわり感を保つために「ダウンパック」や「密閉室」が活躍し、ダウンとフェザーの違いがしっかり理解された上で製品化されています。高品質なダウン製品を選ぶ際には、フィルパワーやダウン・フェザーの割合、密度の高い生地の使用が大切です。また、適切なメンテナンスも行うことで、長く快適に愛用することができます。
昔、上海の縫製工場で指導をしていた時に、大規模な工場でダウンの密閉室を見たことが有りますが、そこで作業しなけらばならない人が気の毒でした(*´Д`)
冬服は夏場に作ることが殆どですので、暑い中マスクをして完全防備で密室に籠る。
日本ではなかなかお目にかかれない光景でした(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
中国の大規模な縫製工場は、工場の中に客人を持て成す為のレストランが従業員の食堂とは別に用意されていて、そこでの料理はやっぱり美味しかったです(*^-^*)
Noble Ameでは現在、京都ハンドメイドマルシェに向けて色んな商品を作っています。
ブログの更新頻度はかなり下がっていますが、新商品が出来たらまたご紹介させていただきますのでお楽しみに(^_-)-☆