Noble Ame’s Diaryをご覧の皆様、こんばんは!
今日はデニム生地について詳しくご紹介したいと思います。デニム生地はその耐久性と独特の風合いで、世界中で愛されていますが、どのようにしてその強さが生まれるのか、そして加工方法について詳しく解説します。
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デニム生地はなぜ強いのか?
デニム生地が強い理由は、その構造と使用する糸にあります。デニムは綾織り(ツイル織り)で作られており、これは通常、3本の経糸の上を1本の緯糸が通る形で織られます。この織り方により、生地に対して斜めのライン(綾目)が形成され、非常に高い耐久性を持つのです。
でもほんとは馬に引っ張られたら破れるか縫い目が裂けるかだと思いますけどね(*^-^*)
糸の撚り方と綾目の向き
デニム生地で使われる糸の撚り方には、S撚りとZ撚りの2種類がありますが、一般的にデニムにはZ撚りの糸が使われます。Z撚りの糸は、時計回りに撚られた糸で、強度が高く、耐久性に優れています。この撚り方により、デニムの表面に右上がりの綾目が出るのが特徴です。
デニムの染色方法
デニム生地の独特の色合いは、インディゴ染めによって生み出されます。インディゴ染めは、糸の外側だけを染める方法で、中心部分は白いまま残ります。このため、デニムは履き込むことで、外側の染料が徐々に落ち、内側の白が現れ、独特の色落ちや風合いが楽しめるのです。日本では伝統的な藍染めのデニムも人気ですね(^^♪
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ダメージ加工の方法
デニムのダメージ加工には、さまざまな方法があります。主な方法を以下に紹介します。
サンドブラスト:
高圧の砂を使ってデニムの表面を削り、ダメージを与える方法です。ただし、環境や健康への影響があるため、近年ではあまり使われなくなっています。
レーザー加工:
レーザーを使ってデニムの表面にダメージを与える方法です。環境に優しく、細かなデザインも可能です。
手作業による削り:
紙やすりやブラシを使って手作業でダメージを与える方法です。非常に時間がかかりますが、自然なダメージ感を出すことができます。
化学薬品処理:
薬品を使ってデニムを部分的に色落ちさせる方法です。
ケミカルウォッシュとも言います。30年前等はこれがかなり主流でしたが、今はあまり見られなくなりましたね(;一_一)
デニムの洗い加工
デニムの洗い加工にはいくつかの方法があります。以下は主な洗い加工の種類です。
ストーンウォッシュ:
デニムを石と一緒に洗うことで、柔らかくし、自然な色落ちを生む方法です。ストーンウォッシュによってデニムにヴィンテージ感が出ます。
エンザイムウォッシュ:
酵素を使ってデニムを洗う方法です。酵素が繊維を分解し、柔らかくしてくれます。
ブリーチング:
漂白剤を使ってデニムを部分的に色抜きする方法です。独特の色合いを作り出すことができます。
洗いの縮み分をパターン上でどう処理するか
デニム生地は洗うと縮むため、パターンを作成する際にはその縮み分を考慮する必要があります。以下の方法で対処します。
縮率を計算:
デニムの縮率を予測し、その分をパターンに追加します。たとえば、縦横ともに2%縮む場合、パターン寸法に2%を上乗せします。
僕がアパレル業界に居た時はこの方法で作っていました。
①サンプル生地にポイントを打ち、筒状にした生地を製品と同様の加工に出します。
②加工から上がってきたら加工前の寸法と比べて縮率を出します。
③縮率を元のパターンにCADで入れていきます。(この時、縫い目の部分は縮率通りに縮まないケースが多い)
④縮率を入れたパターンでサンプルを縫製し、再度加工に出す。
⑤加工から上がってきたサンプルを採寸し、縮率を入れなおす部分を検討する。
⑥仕上がり寸法が安定するまで繰り返し
この様な流れで洗い加工のデニムは作られています。
個人でやろうと思ってもかなり難しいですね(*´Д`)
プリシュランク加工:
あらかじめデニム生地を洗って縮ませる方法です。これにより、製品化した後の縮みを防ぎます。
ただ洗うだけならいいんですが、洗いによって色を付けたり、堅い部分だけ色落ちの差が出たりするのを狙ったりする場合はこの方法では無理です。
サンプル制作:
最初にサンプルを作り、実際に洗ってみて縮みを確認し、パターンを修正します。
これも言うのは簡単ですが、完成までどれほどの時間がかかるのか、、、、。
まとめ
デニム生地はその強度、独特の風合い、そして加工の多様性から、ファッションにおいて欠かせない存在です。Z撚りの糸、インディゴ染め、さまざまなダメージ加工と洗い加工、そして縮みを考慮したパターン作成など、多くの技術が結集して一枚のデニムが作られます。次回デニムを手に取るときには、その背景にある技術と工夫を思い出してみてください。
では、次回のブログ記事をお楽しみに!
Noble Ame’s Diaryでした。