Noble Ame’sdiaryをご覧の皆様、こんばんは(*^-^*)
たまにオートクチュールに関しての記事を書いていますが、今回はオートクチュールがどういったものなのかについて、詳しく書いていきたいと思います!
オートクチュールとは?
オートクチュールとは、フランス語で「高級仕立て」を意味し、ファッション界において究極の手仕事とデザインの象徴です。この分野で活躍するメゾン(ブランド)は、特別に選ばれた少数のエリートであり、厳しい要件をクリアしたブランドだけが「オートクチュールメゾン」として認められます。この記事では、オートクチュールの歴史的な背景、メゾンが認められるための要件、そしてその偉大さについて解説します。
オートクチュールの歴史
オートクチュールは19世紀中盤、イギリス出身のデザイナー、チャールズ・フレデリック・ワースによってパリで誕生しました。彼は顧客に合わせて一つ一つ手作りの服を提供し、ファッションデザイナーとしての地位を確立しました。このワースの手法が、今日のオートクチュールの基礎を築きました。
フランスの「Chambre Syndicale de la Haute Couture」は、1868年に設立され、オートクチュールに関する厳格な基準を設定しました。これにより、オートクチュールメゾンとして認められるブランドは限られており、そのステータスは非常に高いものです。
オートクチュールメゾンとして認められる要件
オートクチュールメゾンになるためには、Chambre Syndicale de la Haute Coutureの定める厳しい条件をクリアする必要があります。これらの条件は、手作業で作られる唯一無二の高級衣服が、芸術的かつ職人的な技術で作られていることを保証するものです。以下は、その主な要件です。
アトリエの設置:
ブランドは、パリに少なくとも1つのアトリエ(工房)を持ち、そこで働く常勤の職人が最低でも15人以上いる必要があります。
年間のコレクション:
オートクチュールメゾンは、年間に少なくとも2回、新しいコレクションを発表することが求められます。これには昼用と夜用の衣装を含む必要があり、それぞれに独創的であることが条件です。
手作業での制作:
オートクチュールの作品は、ほぼ全てが手作業で制作されており、機械的な大量生産品とは一線を画します。デザインから仕立てに至るまで、膨大な時間と技術が注がれます。
カスタムメイド:
オートクチュールの服は顧客一人一人の体型に合わせて特別に作られるため、完全にオーダーメイドです。これにより、顧客は自分だけのために作られた唯一の作品を手にすることができます。
オートクチュールメゾンの偉大さ
オートクチュールのメゾンとして認められたブランドは、他のファッションブランドとは異なる格別のステータスを持っています。これらのブランドは、数百年にわたる伝統と革新を融合させた特別な技術を保持しており、その服は芸術作品とも言えるレベルです。
代表的なオートクチュールメゾン
現在、パリの「オートクチュール組合」によって認められたメゾンには、以下のような世界的に有名なブランドがあります。
Chanel(シャネル):
ガブリエル・ココ・シャネルによって創設されたシャネルは、常に伝統と革新を融合させ、優雅さと機能性を両立させたデザインで知られています。
Dior(ディオール):
クリスチャン・ディオールが1947年に発表した「ニュールック」は、戦後のファッション界に革命を起こし、以来ディオールは優雅で女性らしいスタイルを提供し続けています。
Givenchy(ジバンシィ):
ユベール・ド・ジバンシィによるシンプルでエレガントなデザインは、特にオードリー・ヘプバーンとの関係で広く知られています。
Valentino(ヴァレンティノ):
イタリアのデザイナー、ヴァレンティノ・ガラヴァーニによる豪華でロマンチックなデザインは、世界中のセレブリティから愛されています。
Schiaparelli(スキャパレリ):
エルザ・スキャパレリは、シュルレアリスムの影響を受けた独創的で大胆なデザインで、ファッション界に衝撃を与えました。
他には、Jean Paul Gaultier(ジャン=ポール・ゴルチエ)
Armani Privé(アルマーニ・プリヴェ)
Elie Saab(エリー・サーブ)
Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)
Fendi(フェンディ)
Giambattista Valli(ジャンバティスタ・ヴァリ)
Alexandre Vauthier(アレクサンドル・ヴォティエ)
Zuhair Murad(ズハイル・ムラド)
Balenciaga(バレンシアガ)
Ralph & Russo(ラルフ&ルッソ)
これらの15のメゾンは、オートクチュールの精神を引き継ぎながら、時代に応じた革新を続けています。
準メンバー(ゲストメンバー):
これらのブランドは、公式メンバーではないものの、特定の期間のみオートクチュールのコレクションを披露することが許されています。
Iris van Herpen(アイリス・ヴァン・ヘルペン)
Guo Pei(グオ・ペイ)
Azzaro Couture(アザロ・クチュール)
Ulyana Sergeenko(ウリヤナ・セルゲンコ)
オートクチュールの未来
オートクチュールはその贅沢さから、一部の富裕層向けのものであるというイメージがありますが、実際にはファッションの最前線に立つ革新の場でもあります。例えば、**Iris van Herpen(アイリス・ヴァン・ヘルペン)**は、3Dプリンティングなどの新技術を取り入れた未来的なデザインで注目を集めています。彼女の作品は、オートクチュールが単なる伝統的な手工芸にとどまらず、常に進化し続けていることを示しています。
さらに、サステナビリティへの関心が高まる中、オートクチュールも環境に配慮した素材や制作方法を採用する動きが見られます。これにより、エシカルでありながらも豪華なファッションが生まれ、次世代のファッションリーダーたちに影響を与えています。
まとめ
オートクチュールは、ファッション界の最も高度な表現形態であり、そのメゾンに認められるためには厳しい要件を満たす必要があります。これにより、オートクチュール作品は単なる服ではなく、アートとして評価されるのです。ChanelやDior、Valentinoといった名だたるブランドが維持する高い基準は、ファッションの未来に向けた道を切り開きながら、時代を超えて人々に愛され続けています。
追記:イヴ・サン・ローランは?
イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent, YSL)は、かつてオートクチュールメゾンとして認められていましたが、2002年にオートクチュール部門を終了しました。この決断にはいくつかの理由がありました。
市場の変化:
オートクチュールは非常に高価で、限られた顧客に向けた特別なファッションです。20世紀後半から21世紀にかけて、ファッション業界全体がプレタポルテ(既製服)や大量生産品へとシフトしていきました。これにより、コレクションの規模やビジネスの効率性が重視され、オートクチュールのビジネスモデルが商業的に難しいと感じられるようになりました。
経済的な理由:
オートクチュールの制作には、職人による細かな手作業や高価な素材が必要で、多額の費用がかかります。しかし、利益を上げることが難しく、YSLはプレタポルテに注力することで経済的な持続可能性を図りました。
創業者の引退:
イヴ・サンローラン自身は2002年に引退を発表し、最後のオートクチュールショーを行いました。彼は1960年代から活躍していましたが、健康問題やファッション業界でのプレッシャーもあり、創作活動から離れることを決めました。彼の引退に伴い、ブランドはオートクチュールの制作を終了しました。
その後、イヴ・サンローランのブランドはプレタポルテ(既製服)に完全に移行し、オートクチュールメゾンとしての認定は失われました。現在のYSLは、プレタポルテを中心に世界中で大きな成功を収めていますが、オートクチュールの世界には戻っていません。
この決断は、ファッション界における大きな変化の象徴でもあり、オートクチュールが持つ伝統と、より大衆向けのファッションとの間のバランスを象徴するものでもあります。
イヴ・サンローランが引退する3年前の段階で、プレタポルテ部門は既にグッチグループに買収されており、トム・フォードがプレタポルテ部門のデザイナーでした。
当時の僕は、はぁ?(*´Д`)アメリカ人がイヴ・サンローランのデザイナー?等と憤っていたことを思い出します。
結局大資本にやられてしまった感じがしてすごく嫌な気分になりました(;一_一)
それでもイヴ・サンローランのオートクチュールは素晴らしいもので、彼の偉業は今後も語り継がれていくのだと思います<m(__)m>
蛇足
Noble Ameでもオーダーメイドトートバッグをご提供していますが、とてもじゃないですが、オートクチュールの真似事は出来ません(*´Д`)
僕に出来る事は市販の量産品には出せない味と丁寧な仕事だけ。
良かったら見ていってくださいね!
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